こんにちは。chia(@prnwhme)です。
今回は京都検定にもよく出題される、『平安京と四神』の関係性を探ってみたいと思います。
☟とりあえず、まずはこちらの問題をどうぞ。第14回京都検定2級の過去問からの出題です。
平安京は『四神相応之地』とされているが、白虎に当たるのはどれか。
(ア)鴨川 (イ)巨椋池 (ウ)船岡山 (エ)山陰道
答えは(エ)の山陰道。
分からなかった方も、「そもそも四神って何???」という方も、以下で詳しく説明しますので参考にしていただければ幸いです。
四神とは?
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四神とは、天の四方(東西南北)を司る霊獣(想像上の動物)のこと。
もともとは中国の神話から生まれたもので、
- 北:玄武(げんぶ)
- 東:青龍(せいりゅう)
- 西:白虎(びゃっこ)
- 南:朱雀(すざく)
と定めます。
※四神の読み方には諸説あります。
『四神相応之地』とされた平安京
碁盤の目のように配置された平安京は、地理的景観が四神の存在にふさわしい場所として、『四神相応之地(しじんそうおうのち)』とされています。
四神は地理的な特徴にも当てはめられ、風水の考え方では
- 背後に高い山(丘陵)(北の玄武)
- 左右に流水と大道(東西の青龍と白虎)
- 前にくぼ地(南の朱雀)
が揃った地に住むと、一族は長く反映すると言われています。
北:玄武(船岡山)
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北の方角を司るのは玄武(玄武)。亀の甲羅に蛇が巻き付いた姿を表します。
玄武が示すのは高い山。平安京では(現在の北区に当たる)船岡山(ふなおかやま)が該当します。
船岡山は古来より景観の地として評価され、清少納言も『枕草子』にて「岡(丘)は船岡」と名前を挙げたほど。
現在も残っており、船岡山公園として整備されているほか、すぐ近くには豊臣秀吉が織田信長の霊地として建てた建勲神社があります。
玄武、山、船岡山、建勲神社
こんもりとした亀の甲羅を山と考えて覚えてみても良いかもしれませんね。
東:青龍(鴨川)
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その名の通り、青い龍の姿を表す青龍(せいりゅう)。
青龍の示す東の方角は流水を示すとも丘陵を示すとも言われ、平安京の場合では鴨川がそれに当たります。
鴨川上流の景色(出町柳あたり)
余談にはなりますが仏教では極楽浄土の七宝の池に咲く4種の蓮の花のうち青色が第1とされ、そのため青色の青龍は最も貴いものとして東方(太陽の昇る方角)に位置するとされています。(出典:世界大百科事典)
青龍の青色と、川の水の青色を掛けて覚えてみてはいかがでしょうか。
青龍、太陽が昇る方角、流水、鴨川
西:白虎(山陰道)
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白虎もその名の通り、白い虎のこと。
白虎は大きな道を示すと言われ、平安京の場合では本州日本海側の西部へ続く山陰道(さんいんどう)に例えられています。
現在のJR山陰本線のルートで辿ってみると分かりやすいかも。
山陰道は京都駅を出発して丹波口や二条、嵐山を通り、やがて山陰地方北部の方角へと続いて行きます。
白虎、大きな道、山陰道
南:朱雀(巨椋池)
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最後の朱雀(すざく)は南の方角を司る神獣。鳳凰(ほうおう)とは別物とされていますが、
良く似た朱色の鳥の形をしています。
朱雀が示しているのはくぼ地(河川から流れた水をたくわえる場所)。
平安京ではかつて存在した巨椋池(おぐらいけ)が朱雀の場所として定められています。
在りし日の巨椋池(出典:Wikipedia)
巨椋池は京都府の南部、現在の京都市伏見区・宇治市・久御山町(くみやまちょう)にまたがる場所に存在したと言われています。
ちょうど琵琶湖から京都市内を流れる宇治川が(西部を流れる)木津川や桂川と合流する地点で、池と言うよりは「湖」と呼んだ方がふさわしいほどの大きでした。
水上交通の中継地点として重宝された巨椋池でしたが、1933年~1941年に実施された干拓によって農地にされ、現在は存在していません。
朱雀、くぼ地(池)、巨椋池、現存していない
まとめ:京都検定対策では四神の種類と場所を覚えよう!
- どの方角にどの四神が充てられているのか(北=玄武、など)
- 平安京で表すとどこになるのか(北=玄武=船岡山、など)